第一章
まどろみの中の苦しみ


 
 これが夢だということはわかっている。
だが、自分の意志でこの夢から覚めることができない。
信じている。この夢は俺への警告だ。
「俺が生きる道はこれでいいのか」
それを伝えているんだ。
俺は真っ暗な闇の中ひたすら探し続けてきた。
を。
だが、いっこうに答えが見つかる気配は無い。
慎悟の両親を殺したきっかけを作り、この間は慎悟と唯一のつながりがある麗菜までも殺しそうになった。全て俺の責任だ。
そして、五年前も・・・。
 慎悟と仕事を始めて五年たった今でも自分が選んだが正解だったのかどうかわからない。
 そして、また来た。
 闇の中から出てくる人の声。それが誰なのか私はわからない。だが、最後にその声が言う。
「運命に従え」
 この声の主が誰なのか。
神なのか・・・。
それとも悪魔・・・。
よければ天使・・・。
俺にとってはどれも同じだ。
俺は無神論者。この三つのうち一つも信じていないし、必要ともしていない。
人は助け合えば生きれる。仮に神がいたとしてもその力は必要としない。
慎悟の親を殺したのは俺のようなもの。あいつの親を殺したということは麗菜の母親を殺したことにもなる。
あの二人を仲間だと言える資格は俺にはないんだ。
そして、あの時のあやまち。
俺がいなければあいつは・・・。
悔やんでいる。
今までの人生を悔やんでいる。
俺には自分の居場所が無い。
今までに何度もそのことを考えた。
だが、すでにどうしようもないことなんだ。


今の自分はパズルに無理やりはめ込まれたピースのようなものなんだ。
俺には居場所が無い。
だからこの夢を見るのかもしれない。
俺が選んだ道は正解だったのか。
間違っていたんじゃないのか。
だからこの夢を見る。
来る。最後のあの言葉が。
「運命に従え」


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