この事件では誰にも傷ついて欲しくなかった。
だが、それは仕方が無かったのかもしれない。
ここでこの事件が起こったのは仕方がなかったのかもしれない。
俺、石神両刃の故郷で何人もの人が傷ついたのは運命のせいだ。
2005年8月、麗菜と出会い、沖ノ鳥島での爆破事件を解決した。
2005年9月に風上創次と出会い、猪狩を捕まえた。
全ては運命のめぐり合わせによって起きた事件、そして解決できた事件。
そして、2005年の大晦日。
慎悟にも、俺にも忘れることができない悪夢が始まった。
俺が警察に追われ、慎悟は悪人呼ばわりされ、そしてリーと麗菜が・・・、
語るのはいったんここまでにしよう。
新たに語るのは、俺のこの悲しみがおさまるとき・・・。
いや、そんなときは一生来ないのかもしれない。
私はここで一度だけ筆をおく。
だが必ず俺はこの事件をまた新たに書く。
慎悟は俺に笑顔を忘れるな、と言った。
俺の笑顔をなくしたこの事件は俺が必ず世間に発表する。